太陽電池用部分影補償器を統合した
「部分影補償器統合型コンバータ」の開発

鵜野将年
(茨城大学 工学部電気電子工学科 准教授)

2018年6月1日金曜日

国際会議IPEC Niigata ECCE-Asiaに参加しました

3月に研究室の第一期生が卒業して2ヶ月が経ちました。
卒業生が残していった良い文化と悪癖の両方を引き継ぎつつ、現在は新しい学生が研究室に加わり総勢で学生17名体制となりました。
第一期生は先輩不在の状態で育ったので自由奔放のいわば半無法地帯の状態でしたが、今は徐々に秩序とルールが形成されつつあり後進国から新興国へと変貌していっているような感じです。
装置のマニュアル作成、先輩が分担制で新4年生をトピック単位で指導する仕組み、そしてオンライン英会話の受講料支援など、研究室のシステムが出来上がりつつあります。

新潟県で開催されたパワーエレクトロニクスの国際会議IPEC Niigata ECCE-Asiaに参加してきました。
M2の学生は就職活動で忙しいということで今回は単身で参加し、2件のオーラル発表を行いました。
自分自身のプレゼンの発表準備をしつつ、茨城に残っている学生たちの論文投稿期限が迫っており論文の添削も行わなければいけなかったので、地獄のように忙しい学会参加となってしまいました。
張り切って2件の発表申し込みをしたことを後悔しつつもプレゼンの準備をしましたが、人間は追い込まれるとすごい力を発揮できるもので、まるで受験生のような記憶力と集中力で何とか準備を済ませ無事にプレゼンを終えることができました。
このように追い込まれて集中力を発揮する経験を重ねていけば、僕もいつかは見聞色の覇気を使えるようになる日が来るかもしれません。



そして、今回の国際会議参加で最も嬉しかったことですが、これまでの研究業績が評価され、Isao Takahashi Power Electronics Awardという非常に栄誉ある賞を頂くことができました。
人生はつらい事もあれば良い事もあるのだなと、しみじみと感じました。
バンケットで受賞式が行われ、とても大勢の重鎮の先生方の前で英語のスピーチをするという貴重な経験もできました。
オーラル発表よりもよっぽど疲れました。


そして、バンケット翌日には茨城で午前中から講義があったので、受賞式が終わったら直ぐに終電で帰路につきました。
しかし、茨城までは終電がなかったので、栃木の小山で一泊です。
大雨の中、ずぶ濡れになりながら辿り着いたホテルは昭和感丸出しの部屋で、自分に霊感があれば確実に何かが見えていたと思います。
ホテル到着は午前1時、翌朝は5時台の電車で帰宅です、まるで苦学生の生活リズムです。
人生は良い事もあれば再びつらい事もあるのだなと、しみじみと感じました。

後日、お世話になっている企業の方から豪華なお祝いの花をいただきました。
やはり、人生はつらい事もあれば良い事もあるものです。

2018年3月16日金曜日

M2学生の卒業

 当研究室の一期生(現M2)がついに卒業です。思えば4年生のときと比べると大きく成長した点、まったく成長していない点があります。専門技術や知識やマナーなど、「技」に関する点は全員もれなく成長しましたが、人間としての癖というか悪癖というか、そのような点については変わらざること岩の如しです。注意不足で痛い目を見る人、ネガティブ思考と雑なモノの扱いで実験から逃避する人、期限を守らない人、などなど。長所は残しつつ短所を克服する(克服させる)というのは本当に難しいと改めて感じます。こういう点を鍛えるのははやり人間塾なのでしょうか…男塾が実在すれば是非とも体験入会を勧めてみたいです。
 各々、苦節3年、色々とありましたが、5名中2名は英語査読論文の執筆を完了し(ファーストオーサー)、現在は採択結果の通知待ちの状態です。他の1名はセカンドオーサー、別の他1名は日本語雑誌での技術成果報告を執筆中です。また別の1名は共同研究開発の責任を全うすべく、最終実験を実施中です。全員のこれまでの成果が論文や製品という形として残るということで、本人たちにはまだ実感はないと思いますが数年後にはこの成果と培った能力の価値に気付くと思います。


  4月からは新社会人としてばらばらになるわけですが、研究室生活を忘れて欲しくないという思いで送別鍋会を開催し、研究室からオリジナルマグカップを贈呈しました。集合写真と各個人の研究で扱った回路が印刷された完全オリジナルマグカップです。コーヒーを飲むたびに学生時代の研究を思い出せます(もしかしたら忘れたいかもしれないですが)。会社の職場で日常的に使用してくれるでしょう。
 

 

2017年11月20日月曜日

15名の学生が研究発表会に参加、3名が受賞

11月18日に日立市で開催された電気学会茨城支所研究発表会で当研究室の院生11名と学部生4名が発表を行いました。参加人数が多い分、こちらとしては発表練習に深く付き合うことはできませんでしたが、学生同士で練習を行い切磋琢磨して望めた研究会となりました。M2の篠原俊樹君、M1の佐藤祐介君、B4の佐藤颯人君が優秀発表賞を受賞しました。3名が受賞したということでとてもうれしいのですが、昨年と同じく受賞を逃した学生達の嫉妬と失望がありありと出ていました。受賞した3名はモチベーションも上々ですが、やはり受賞しなかった学生達のモチベーション低下防止策が必要です。発表会後にしばらく休む宣言をする学生が複数いましたが、同い年の社会人はイベントが終了したからといって会社をしばらく休むなんてことはできません。高校生ですら、土日に開かれる部活の練習試合が終わったからといって学校をしばらく休むなんて発想に至りませんし、毎日朝の8時台に登校します。以上のようなことを学生に伝えると、さすがに月曜から登校している学生が多くほっとしました。


これからは卒論・修論の冬に突入です。更には、来年に参加予定の国際会議の執筆を開始する時期でもあります。こんな大事な時期に気を緩めてしばらく沈没するわけにはいきません。不沈艦となるべく、今週から学生達は英語学習と論文執筆に精進します。

2017年11月8日水曜日

マレーシアのペナン島ジョージタウンで開催されたIEEE TENCONに参加しました

11月6日~8日にマレーシアのペナン島ジョージタウンで開催されたTENCONという国際会議に4名のM1学生と共に参加してきました。
ありえない程の天候トラブル、人的トラブルに巻き込まれた旅行になりました。
成田からクアラルンプール経由でペナンに行く旅程でしたが、嵐のせいでクアラルンプールを出発した飛行機がペナンに着陸できずクアラルンプールに引き返すことになりました。
これがトラブルの発端です。
時間的な問題で空港で雑魚寝することになったのですが、空港の空調が効きすぎていて長袖でも凍えるほど寒くて寝れず皆1~2時間の睡眠時間となりました。
そして、いざ定刻になってペナン行きの飛行機に搭乗しようとなった時に、なんと2名の学生が搭乗ゲートにいません。
搭乗時間の20分前には確かに居たのですが、他の学生に行方を聞くと、なんと出発直前なのに呑気に朝食に出かけたとのこと。
後に本人たちの言い訳を聞くと結局は「自分で時間を把握してなくても他人が把握してからダイジョウブ」という考え方で互いに甘えきっていたということでした。
電話を掛けても出ず、これは本人たちのところに直接行って連れてこなければいけません。
フライト時刻は9:15、時計を見ると9:03で、係員はフライトの10分前にゲートを閉めるからもう待てないと言っています。
係員に頼み込んで「3分だけ待ってくれ、今から走って連れてくる」とお願いして何とか待ってもらえることになったのですが、搭乗ゲートですでに待機している2名の学生と僕の計3名の面子を見ると、どう見ても僕が一番足が速そう…
ということで、呑気に朝食をエンジョイしている学生を連れてくるために1~2時間の睡眠しかとっていない体に鞭を入れて朝っぱらから空港を全力で走る羽目になりました。
そしてレストランに着くと案の定、彼らは何も知らず呑気に朝食をとっていました。
一喝して、学生と共にゲートまで走って戻ることで何とか間に合いましたが、本当にシャレにならない状況でした。
常識知らずとは本当に怖いです。
呑気な学生は片道ダッシュ、僕は往復ダッシュです…空港で1kmほど走りました、準備体操なしで突然走ったせいで膝を痛めて、向こう2日間は足を引きずってしまいました。
大げさかもしれませんが、学生は片時も目を離してはいけない子供と同じなのだなと感じました。
そしてペナンに何とか到着できたのですが、今度はスーツケースが届かないというトラブル発生です、しかも5人全員。
荷物紛失係に問い合わせると後にホテルにスーツケースを届けてくれるということだったので、とりあえず宿にチェックインしてペナン観光をしました。
嵐のせいで街では浸水している地域、倒木もたくさんありました。

すると、今度はフライトを逃しそうになった2名の学生がマレーシアの文化や食べ物に対して文句たらたら、突然腹を下す、など再び手間のかかる子供っぷりです…
もしかしたら色々な意味で教員の仕事を全うするためには僧侶なみの精神と保育士のような包容力が必要なのかも知れません。


夜になってもスーツケースが届かなかったので、諦めて下着と洗面具一式をデパート購入しました。
ですが、購入後に宿に戻ってくると、すぐにスーツケースが届きました。無駄に下着と洗面具一式が増えてしまいました。
発表については英語力の割にはまずまずといったところでしょうか。
皆一様に自分たちの英語力の貧弱さを痛感したようでした。
いくらTOEICの点数が600点や700点あってもそれは点数を取るための対策をした結果であって、実用的な力を反映しているわけではないということを理解してくれたようでした。
これを機に真剣に英会話に取り組むといっています。




そして、恐らく今回の旅行で学生にとっての一番の収穫は狭い日本から初めて飛び出して海外の色々なものを体験できたということだと思います。
日本の常識は通じない、途上国でも日本より進んでいる側面はたくさんある、そして日本の学生はものすごく恵まれた環境にいる、ということに気づいたようでした。
今後に活かされれば今回の大失態も糧になります。彼らの研究に対する姿勢が変わることを祈るばかりです、いや変わってくれなければ割に合いません、今回ばかりは。
 

2017年9月6日水曜日

電気学会東京支部学生研究発表会に参加、4年生の学生が受賞

東京工業大学で開催された電気学会東京支部学生研究発表会に4名の4年生と2名のM1と共に参加しました。
6名全員が学会発表デビューでしたが、厳しい質問にも耐えられるよう事前に数十個の想定質問を準備し万全の状態で発表会に望みました。
そして4年生の吉野功司君が優秀発表賞を受賞しました、初打席初ヒットです。
練習の段階では他の誰よりも練習不足で心配な点が多々あったのですが、土日返上で準備不足を挽回して受賞に至ったようです(ビギナーズラック感がありありですが)。
緊張のせいか発表中に体が若干揺れて上体が安定せず、質疑応答でもファウル的な回答をしてしまう場面もありましたが、全体としては芯を捉えた発表ができたようです。
他の4年生達も上々でデビュー戦としては100点に近い発表ができており、むしろ受賞した学生よりもすばらしい仕上がり状態でフルスイングしてくれました。
惜しくも受賞には至りませんでしたが近い内にホームランを打つことを確信できました、電気工学の清宮です。
全盛期のイチローでも打率は3割強です、めげずに地道に研究に取り組んでくれたら当研究室は電気工学の智弁和歌山になれます。
私の浅い野球の知識ではこれ以上は例えようがないので、このくらいにしておきます。
4名の4年生と2名のM1

受賞した4年生の吉野功司君

2017年9月2日土曜日

電気学会産業応用部門大会の参加と学生の受賞

函館アリーナで開催された電気学会産業応用部門大会に4名のM1と共に参加しました。
今回は4人ともポスター発表でしたが、想定質問集や補足スライドの準備等、万全の状態で望みました。
発表日の8月30日は北朝鮮が発射した火星12号が函館上空を飛翔しJアラートで早朝から叩き起こされ学生達も寝不足状態だったようですが、4人とも満足のいく発表ができたようでした。
そして、幸運にも佐藤祐介君がヤングエンジニアポスターコンペティション優秀論文発表賞を受賞してくれました。
他の誰よりも時間をかけて綿密な解析と発表準備をしていたので、その努力が報われて本当に良かったと思います。
彼であれば2打席連続ホームランも夢ではありません、次の発表にも期待してしまいます。


函館は海鮮料理がおいしく観光としても見所の多い町なので、とても有意義な時間をすごせました。
この充実した発表と旅行を見て後輩たちが続いてくれることを期待したいです。
 

2017年8月14日月曜日

バングラデシュのRajshahi University Engineering & Technologyを訪問

夏休みを利用してバングラデシュに旅行に行ってきました。
首都のダッカはどこに行っても人だらけ、道路はリキシャー(三輪車)や圧縮ガスで動くオート三輪、馬車や荷押し車など、人と乗り物で溢れかえっていて無秩序というほか無く、さすが世界一の人口密度の国だと感じます。

そして、地方都市ラジシャヒに足をのばしてRajshahi University Engineering & TechnologyのRabiul Islam教授を訪問しました。
南アジアの国の大学を訪問するのは初めてでしたが、構内に水牛がいたり無数のリキシャーが走っていたりと、この国ならではの光景が多数でした。
彼の進めている研究プロジェクトの紹介に加えて、実験室や講義室も覗かせてもらいました。
やはり日本と比べると設備は不十分かつ老朽化していましたが、学生たちは礼儀正しくまじめで、スマホ漬けになっている日本の貧弱な学生にとっては学ぶべき点はとても多いと感じました…
学生の男女比は7:3ほどらしく理系の女子離れが深刻な日本とは対象的です。
学内に寮があり1部屋4名ほどで共同生活をしているそうです。



インフラが整っておらず一日に何度も停電が発生する貧しいバングラデシュですが、日本よりも進んでいる部分もありました。
ダッカ以外の街中を走っているリキシャーの半数以上が電動で、街中の排気ガスがイメージよりもはるかに少なくなっています(しかし、道路が舗装されていない地区や陥没している場所が多く、埃だらけなので空気自体は澄んでいないのですが)。
誰かが「バングラデシュの電動車両普及率は世界一」と言っていましたが、納得できました。
町中に充電スタンドがあるようで(なかなか発見できませんが)、色々と学べる点が多い国です。