太陽電池用部分影補償器を統合した
「部分影補償器統合型コンバータ」の開発

鵜野将年
(茨城大学 工学部電気電子工学科 准教授)

2019年3月2日土曜日

卒業シーズン

卒論発表や修論発表会も無事に終了し、3月となりました。
卒業シーズンは研究の引継ぎなど色々とやることが多くなります。
何よりも一番の懸念は実験のやり残しです。
あと少しのところで研究をやめて、後輩たちに実験を置き土産として残していく、いわゆる「逃げ切り」を狙う学生がいるのですが、幸いにもうちの研究室の学生たちは実験を完遂すべく今も頑張ってくれています。
こういう人たちこそ社会では責任感ある人材として重宝されます。
企業の採用担当の人たちに胸を張って推薦できる学生です。
卒業生たちのこれまでの努力に感謝して送別会を開き、記念品に恒例のオリジナルマグカップをプレゼントしました。
研究室の集合写真と各自の研究成果の代表図がプリントされたマグカップです。
これがあれば、新社会人となった後でも大学時代の苦労と達成感をいつでも嫌でも思い出すことができます。
社会人になると、ほぼ確実に大学研究室のフットワークの軽さと自由さなどのありがたみを感じます。
マグカップによって研究室生活の記憶が消えず、いつか同期の学生達で再びつながる機会に結びついてくれればマグカップの製作費とデザインの労力なんて安いものです。




残された学生は、3月の国内学会や5月に開催される国際会議の参加準備、さらには人生を大きく決定する就職活動などなどイベントが盛りだくさんです。
学生の数と活動量に比例して、私のやるべきことも増えます…
働き方改革なんて夢のまた夢なのかなと嘆きつつ、学生達と花粉症の両方に立ち向かっていかなければいけないのがこの季節の辛いところです。

2018年11月18日日曜日

第26回電気学会東京支部茨城支所研究発表会で15名の学生が発表しました

2018年11月17日(土)に日立シビックセンターで開催された第26回電気学会東京支部茨城支所研究発表会で15名の学生が発表を行いました。
毎年、この時期の恒例行事になっており、集合写真を撮る絶好の機会です。

皆、しっかりと練習を積んで発表に臨みましたが、力を出せた人もいれば質疑応答が噛み合わず悔いの残る発表の人もいました。
M1の吉野くん、B4の佐藤元基くんが幸運にも受賞することが出来ました。
今回の発表で悔いが残った人は次回のリベンジに期待です。
が、はやり質疑応答に柔軟かつ臨機応変に対応できるかどうかが重要だと改めて感じました。

専門外の人たちからは予想外の質問が飛んでくるのですが、学生達はその質問の意図を読み取ることができずにあえなく撃沈…というのが定番のパターンです。
質問と回答が噛み合わず変な空気のまま時間が経過して消化不良で終わっていきます。
日頃から狭い交友関係の中だけでなく色々な人と接していれば、こういう予想外の方向からの質問にも対応できる臨機応変さは身に付くと思います。
はやり、成績や座学だけではないのだと改めて思います。
もっと外に出ていかないと向上は見込めません。
来年はもっと外に向けて攻める年にしていきましょう。


2018年11月4日日曜日

こうがく祭(オープンキャンパス)でのOBとの再会

11月3日に工学部キャンパスのオープンキャンパスであるこうがく祭が開かれました。
研究室では例年と同じく、部分影補償器のデモンストレーションを4年生主体で行いました。
本当は何か新しいことをやってみたいのですが、如何せん、一般の人に簡単に理解してもらえることが少ないのが我々の研究分野…
来年は心機一転、学生たちは出店での食品販売を模索しているようです。



今年のこうがく祭では、研究室OBの3名がわざわざ足を運んでくれました。
まだ社会人7か月程度の卒業生ですが、卒業して立場が変わるとこうも変わるかというくらい、言うことが社会人っぽくなっていました。
学生達も、過去の身近な人の言うことの影響力は大きいようでした。
卒業生たちが強調していたのはコミュニケーション力と納期。
他人とコミュニケーションをとらず期限を守らない学生が多いのが悲しき現状です。
社会で評価されるのは、当たり前のことを当たり前にできる人です。
大学教員が苦言混じりで教えても伝わらないのですが、距離の近い卒業生が同じことを言ってくれると学生たちに少しは響きます。
卒業生の影響力は大きいです、こうがく祭のとき以外もメールなどでの説法をお願いしたいくらいです…


2018年9月3日月曜日

夏の学会発表の嵐とオンライン英会話

8月の最終週は学会発表ラッシュで研究室のほぼ全員が研究発表を行いました。
5名の学生がハンガリーのブダペストでの国際会議に参加しました。
全員がオーラル発表であり、今回の発表に向けて全員がオンライン英会話を数か月にわたって毎日受講し、英会話能力に磨きをかけてきました。
中には、TOEIC700点越えの強者もいます。
しかし、質疑応答では残念ながら実用的な英語力の貧弱さが露呈してしまい、大いに反省点の残る発表となってしまいました。
改めてTOEICの点数と実用的英語能力は違うのだと感じました。
しかし、発表練習の過程で英語力は相当に上がっており、今回の国際会議では能力的にも文化的にも大きな刺激を受けたようでした。


一方、その他の学生たちは国内で電気学会産業応用部門大会および学生研究発表会に参加しました。
盆明けの学会発表ということもあり、発表練習に十分付き合うことができなかったのですが、その点については学生たちだけで発表練習を重ねて対応してくれました。
少しずつですが、研究室内で学生が自主性を持つ文化が出来上がりつつあるような気がします。


学生たちによる発表練習の甲斐もあり、学生発表会では2名の学生(相川君、佐々木君)が優秀発表賞を受賞しました。
彼らは今回が学会デビューだったので、初打席初ヒットです。
これはもう、来年は海外デビュー間違いなしです。

特に、我々の研究室の4年生やM1は来年度の国際会議参加に向けて、すでにオンライン英会話を毎日受講しています。
来年の今頃には1年以上の英会話経験があるということです。
ということで国際会議での質疑応答も問題なしだろうと思います。
スポーツ分野の風潮と同じく、海外で活躍するであろう彼らのことをこれからサムライと呼びたいと思います。

2018年6月1日金曜日

国際会議IPEC Niigata ECCE-Asiaに参加しました

3月に研究室の第一期生が卒業して2ヶ月が経ちました。
卒業生が残していった良い文化と悪癖の両方を引き継ぎつつ、現在は新しい学生が研究室に加わり総勢で学生17名体制となりました。
第一期生は先輩不在の状態で育ったので自由奔放のいわば半無法地帯の状態でしたが、今は徐々に秩序とルールが形成されつつあり後進国から新興国へと変貌していっているような感じです。
装置のマニュアル作成、先輩が分担制で新4年生をトピック単位で指導する仕組み、そしてオンライン英会話の受講料支援など、研究室のシステムが出来上がりつつあります。

新潟県で開催されたパワーエレクトロニクスの国際会議IPEC Niigata ECCE-Asiaに参加してきました。
M2の学生は就職活動で忙しいということで今回は単身で参加し、2件のオーラル発表を行いました。
自分自身のプレゼンの発表準備をしつつ、茨城に残っている学生たちの論文投稿期限が迫っており論文の添削も行わなければいけなかったので、地獄のように忙しい学会参加となってしまいました。
張り切って2件の発表申し込みをしたことを後悔しつつもプレゼンの準備をしましたが、人間は追い込まれるとすごい力を発揮できるもので、まるで受験生のような記憶力と集中力で何とか準備を済ませ無事にプレゼンを終えることができました。
このように追い込まれて集中力を発揮する経験を重ねていけば、僕もいつかは見聞色の覇気を使えるようになる日が来るかもしれません。



そして、今回の国際会議参加で最も嬉しかったことですが、これまでの研究業績が評価され、Isao Takahashi Power Electronics Awardという非常に栄誉ある賞を頂くことができました。
人生はつらい事もあれば良い事もあるのだなと、しみじみと感じました。
バンケットで受賞式が行われ、とても大勢の重鎮の先生方の前で英語のスピーチをするという貴重な経験もできました。
オーラル発表よりもよっぽど疲れました。


そして、バンケット翌日には茨城で午前中から講義があったので、受賞式が終わったら直ぐに終電で帰路につきました。
しかし、茨城までは終電がなかったので、栃木の小山で一泊です。
大雨の中、ずぶ濡れになりながら辿り着いたホテルは昭和感丸出しの部屋で、自分に霊感があれば確実に何かが見えていたと思います。
ホテル到着は午前1時、翌朝は5時台の電車で帰宅です、まるで苦学生の生活リズムです。
人生は良い事もあれば再びつらい事もあるのだなと、しみじみと感じました。

後日、お世話になっている企業の方から豪華なお祝いの花をいただきました。
やはり、人生はつらい事もあれば良い事もあるものです。

2018年3月16日金曜日

M2学生の卒業

 当研究室の一期生(現M2)がついに卒業です。思えば4年生のときと比べると大きく成長した点、まったく成長していない点があります。専門技術や知識やマナーなど、「技」に関する点は全員もれなく成長しましたが、人間としての癖というか悪癖というか、そのような点については変わらざること岩の如しです。注意不足で痛い目を見る人、ネガティブ思考と雑なモノの扱いで実験から逃避する人、期限を守らない人、などなど。長所は残しつつ短所を克服する(克服させる)というのは本当に難しいと改めて感じます。こういう点を鍛えるのははやり人間塾なのでしょうか…男塾が実在すれば是非とも体験入会を勧めてみたいです。
 各々、苦節3年、色々とありましたが、5名中2名は英語査読論文の執筆を完了し(ファーストオーサー)、現在は採択結果の通知待ちの状態です。他の1名はセカンドオーサー、別の他1名は日本語雑誌での技術成果報告を執筆中です。また別の1名は共同研究開発の責任を全うすべく、最終実験を実施中です。全員のこれまでの成果が論文や製品という形として残るということで、本人たちにはまだ実感はないと思いますが数年後にはこの成果と培った能力の価値に気付くと思います。


  4月からは新社会人としてばらばらになるわけですが、研究室生活を忘れて欲しくないという思いで送別鍋会を開催し、研究室からオリジナルマグカップを贈呈しました。集合写真と各個人の研究で扱った回路が印刷された完全オリジナルマグカップです。コーヒーを飲むたびに学生時代の研究を思い出せます(もしかしたら忘れたいかもしれないですが)。会社の職場で日常的に使用してくれるでしょう。
 

 

2017年11月20日月曜日

15名の学生が研究発表会に参加、3名が受賞

11月18日に日立市で開催された電気学会茨城支所研究発表会で当研究室の院生11名と学部生4名が発表を行いました。参加人数が多い分、こちらとしては発表練習に深く付き合うことはできませんでしたが、学生同士で練習を行い切磋琢磨して望めた研究会となりました。M2の篠原俊樹君、M1の佐藤祐介君、B4の佐藤颯人君が優秀発表賞を受賞しました。3名が受賞したということでとてもうれしいのですが、昨年と同じく受賞を逃した学生達の嫉妬と失望がありありと出ていました。受賞した3名はモチベーションも上々ですが、やはり受賞しなかった学生達のモチベーション低下防止策が必要です。発表会後にしばらく休む宣言をする学生が複数いましたが、同い年の社会人はイベントが終了したからといって会社をしばらく休むなんてことはできません。高校生ですら、土日に開かれる部活の練習試合が終わったからといって学校をしばらく休むなんて発想に至りませんし、毎日朝の8時台に登校します。以上のようなことを学生に伝えると、さすがに月曜から登校している学生が多くほっとしました。


これからは卒論・修論の冬に突入です。更には、来年に参加予定の国際会議の執筆を開始する時期でもあります。こんな大事な時期に気を緩めてしばらく沈没するわけにはいきません。不沈艦となるべく、今週から学生達は英語学習と論文執筆に精進します。

2017年11月8日水曜日

マレーシアのペナン島ジョージタウンで開催されたIEEE TENCONに参加しました

11月6日~8日にマレーシアのペナン島ジョージタウンで開催されたTENCONという国際会議に4名のM1学生と共に参加してきました。
ありえない程の天候トラブル、人的トラブルに巻き込まれた旅行になりました。
成田からクアラルンプール経由でペナンに行く旅程でしたが、嵐のせいでクアラルンプールを出発した飛行機がペナンに着陸できずクアラルンプールに引き返すことになりました。
これがトラブルの発端です。
時間的な問題で空港で雑魚寝することになったのですが、空港の空調が効きすぎていて長袖でも凍えるほど寒くて寝れず皆1~2時間の睡眠時間となりました。
そして、いざ定刻になってペナン行きの飛行機に搭乗しようとなった時に、なんと2名の学生が搭乗ゲートにいません。
搭乗時間の20分前には確かに居たのですが、他の学生に行方を聞くと、なんと出発直前なのに呑気に朝食に出かけたとのこと。
後に本人たちの言い訳を聞くと結局は「自分で時間を把握してなくても他人が把握してからダイジョウブ」という考え方で互いに甘えきっていたということでした。
電話を掛けても出ず、これは本人たちのところに直接行って連れてこなければいけません。
フライト時刻は9:15、時計を見ると9:03で、係員はフライトの10分前にゲートを閉めるからもう待てないと言っています。
係員に頼み込んで「3分だけ待ってくれ、今から走って連れてくる」とお願いして何とか待ってもらえることになったのですが、搭乗ゲートですでに待機している2名の学生と僕の計3名の面子を見ると、どう見ても僕が一番足が速そう…
ということで、呑気に朝食をエンジョイしている学生を連れてくるために1~2時間の睡眠しかとっていない体に鞭を入れて朝っぱらから空港を全力で走る羽目になりました。
そしてレストランに着くと案の定、彼らは何も知らず呑気に朝食をとっていました。
一喝して、学生と共にゲートまで走って戻ることで何とか間に合いましたが、本当にシャレにならない状況でした。
常識知らずとは本当に怖いです。
呑気な学生は片道ダッシュ、僕は往復ダッシュです…空港で1kmほど走りました、準備体操なしで突然走ったせいで膝を痛めて、向こう2日間は足を引きずってしまいました。
大げさかもしれませんが、学生は片時も目を離してはいけない子供と同じなのだなと感じました。
そしてペナンに何とか到着できたのですが、今度はスーツケースが届かないというトラブル発生です、しかも5人全員。
荷物紛失係に問い合わせると後にホテルにスーツケースを届けてくれるということだったので、とりあえず宿にチェックインしてペナン観光をしました。
嵐のせいで街では浸水している地域、倒木もたくさんありました。

すると、今度はフライトを逃しそうになった2名の学生がマレーシアの文化や食べ物に対して文句たらたら、突然腹を下す、など再び手間のかかる子供っぷりです…
もしかしたら色々な意味で教員の仕事を全うするためには僧侶なみの精神と保育士のような包容力が必要なのかも知れません。


夜になってもスーツケースが届かなかったので、諦めて下着と洗面具一式をデパート購入しました。
ですが、購入後に宿に戻ってくると、すぐにスーツケースが届きました。無駄に下着と洗面具一式が増えてしまいました。
発表については英語力の割にはまずまずといったところでしょうか。
皆一様に自分たちの英語力の貧弱さを痛感したようでした。
いくらTOEICの点数が600点や700点あってもそれは点数を取るための対策をした結果であって、実用的な力を反映しているわけではないということを理解してくれたようでした。
これを機に真剣に英会話に取り組むといっています。




そして、恐らく今回の旅行で学生にとっての一番の収穫は狭い日本から初めて飛び出して海外の色々なものを体験できたということだと思います。
日本の常識は通じない、途上国でも日本より進んでいる側面はたくさんある、そして日本の学生はものすごく恵まれた環境にいる、ということに気づいたようでした。
今後に活かされれば今回の大失態も糧になります。彼らの研究に対する姿勢が変わることを祈るばかりです、いや変わってくれなければ割に合いません、今回ばかりは。
 

2017年9月6日水曜日

電気学会東京支部学生研究発表会に参加、4年生の学生が受賞

東京工業大学で開催された電気学会東京支部学生研究発表会に4名の4年生と2名のM1と共に参加しました。
6名全員が学会発表デビューでしたが、厳しい質問にも耐えられるよう事前に数十個の想定質問を準備し万全の状態で発表会に望みました。
そして4年生の吉野功司君が優秀発表賞を受賞しました、初打席初ヒットです。
練習の段階では他の誰よりも練習不足で心配な点が多々あったのですが、土日返上で準備不足を挽回して受賞に至ったようです(ビギナーズラック感がありありですが)。
緊張のせいか発表中に体が若干揺れて上体が安定せず、質疑応答でもファウル的な回答をしてしまう場面もありましたが、全体としては芯を捉えた発表ができたようです。
他の4年生達も上々でデビュー戦としては100点に近い発表ができており、むしろ受賞した学生よりもすばらしい仕上がり状態でフルスイングしてくれました。
惜しくも受賞には至りませんでしたが近い内にホームランを打つことを確信できました、電気工学の清宮です。
全盛期のイチローでも打率は3割強です、めげずに地道に研究に取り組んでくれたら当研究室は電気工学の智弁和歌山になれます。
私の浅い野球の知識ではこれ以上は例えようがないので、このくらいにしておきます。
4名の4年生と2名のM1

受賞した4年生の吉野功司君

2017年9月2日土曜日

電気学会産業応用部門大会の参加と学生の受賞

函館アリーナで開催された電気学会産業応用部門大会に4名のM1と共に参加しました。
今回は4人ともポスター発表でしたが、想定質問集や補足スライドの準備等、万全の状態で望みました。
発表日の8月30日は北朝鮮が発射した火星12号が函館上空を飛翔しJアラートで早朝から叩き起こされ学生達も寝不足状態だったようですが、4人とも満足のいく発表ができたようでした。
そして、幸運にも佐藤祐介君がヤングエンジニアポスターコンペティション優秀論文発表賞を受賞してくれました。
他の誰よりも時間をかけて綿密な解析と発表準備をしていたので、その努力が報われて本当に良かったと思います。
彼であれば2打席連続ホームランも夢ではありません、次の発表にも期待してしまいます。


函館は海鮮料理がおいしく観光としても見所の多い町なので、とても有意義な時間をすごせました。
この充実した発表と旅行を見て後輩たちが続いてくれることを期待したいです。