太陽電池用部分影補償器を統合した
「部分影補償器統合型コンバータ」の開発

鵜野将年
(茨城大学 工学部電気電子工学科 准教授)

2017年8月14日月曜日

バングラデシュのRajshahi University Engineering & Technologyを訪問

夏休みを利用してバングラデシュに旅行に行ってきました。
首都のダッカはどこに行っても人だらけ、道路はリキシャー(三輪車)や圧縮ガスで動くオート三輪、馬車や荷押し車など、人と乗り物で溢れかえっていて無秩序というほか無く、さすが世界一の人口密度の国だと感じます。

そして、地方都市ラジシャヒに足をのばしてRajshahi University Engineering & TechnologyのRabiul Islam教授を訪問しました。
南アジアの国の大学を訪問するのは初めてでしたが、構内に水牛がいたり無数のリキシャーが走っていたりと、この国ならではの光景が多数でした。
彼の進めている研究プロジェクトの紹介に加えて、実験室や講義室も覗かせてもらいました。
やはり日本と比べると設備は不十分かつ老朽化していましたが、学生たちは礼儀正しくまじめで、スマホ漬けになっている日本の貧弱な学生にとっては学ぶべき点はとても多いと感じました…
学生の男女比は7:3ほどらしく理系の女子離れが深刻な日本とは対象的です。
学内に寮があり1部屋4名ほどで共同生活をしているそうです。



インフラが整っておらず一日に何度も停電が発生する貧しいバングラデシュですが、日本よりも進んでいる部分もありました。
ダッカ以外の街中を走っているリキシャーの半数以上が電動で、街中の排気ガスがイメージよりもはるかに少なくなっています(しかし、道路が舗装されていない地区や陥没している場所が多く、埃だらけなので空気自体は澄んでいないのですが)。
誰かが「バングラデシュの電動車両普及率は世界一」と言っていましたが、納得できました。
町中に充電スタンドがあるようで(なかなか発見できませんが)、色々と学べる点が多い国です。


2017年6月8日木曜日

台湾の高雄で開催されたパワエレ国際会議に3名のM2学生が参加しました

 研究室の3名のM2学生と共に台湾の高雄で開催されたパワーエレクトロニクスの国際会議IFEEC(ECCE-Asia)に参加してきました。3名とも(ほぼ)初めての海外旅行ということだったのですが、学生単独行動時は、①行きの飛行機を逃しそうになる(フライト遅延が無ければ確実にアウトだった!)、②現地のATMから現金を引き出せず食いっぱぐれる(15時頃に会議場で提供された軽食が朝ごはん)、③日本の梅雨よりもはるかに湿度が高く不快な気候の中、何度も往復しているはずのホテルと会場の片道25分程度の道で1時間以上道に迷う、④会議の開始時間を間違えて基調講演を聞き逃す、等々のトラブル続きだったようです。恐らく私の知りえない小項目まで数えると①~④では済まずかるく二桁に到達しそうです…が、彼らにとっては全て良い思い出になるはずです。なるほど、こういうことが多々あるので教員が同行することを大学から義務付けられているのだと痛感できました…


 こういう部分だけに目を当てると散々な状況ですが、発表に関しては3名とも充実した時間を過ごせたようです。3名ともポスター発表でしたが、英語のやり取りでフリーズしたりポスターの貼り逃げをしたりすることなく海外の研究者に対して伝えたいことを伝えることができ充実した議論もできたようです。また、何名かの学生はオーラルセッションで積極的に質疑応答に参加していました。



 私自身が初めて国際会議に挑戦した時と比べると遥かに上出来で、はやり日ごろから学生たちが継続していたオンライン英会話の成果が大きかったように思います。彼らが世話になっているフィリピン人英会話講師に感謝です。初海外ということで異国文化についても学ぶことが多く、人生で忘れられない大きな経験をできたのではないでしょうか。
 さて、次は11月にマレーシアで4名のM1が国際会議に初挑戦します。せっかく遠い国まではるばる進撃するので“何の成果もありませんでした”という結末を避けれるよう、心臓を捧げる気持ちで今の内から英語力の向上に努めてくれることを祈るばかりです。

2017年3月18日土曜日

電気学会全国大会と研究助成の成果

富山大学で開催された電気学会全国大会に3名のM1学生と共に参加してきました。
学会発表にも慣れてきたせいか、それとも質疑応答が3分と短かったせいか、3名とも上手く発表をまとめ上げ質疑応答にも対応できていました。
次回は国際会議での発表です、ハードルを上げつつ着実にステップアップしています。
卒業するころには恐らく当学でも最強レベルに成長しているはずです。


国際科学技術財団からの研究助成で進めていた部分影補償器に関する研究ですが、研究成果をまとめた論文が続々と採択され始めました。
現在はこの成果をもとに産学連携も進みつつあり、実用化に向けたステップを歩みつつあります。
共同研究なども増えてきて、来年度は補償器関連のテーマを担当する学生が多くなりそうです。
本当にありがたい限りで、これも研究助成があってのおかげだと思います。
・太陽電池用部分影補償器を統合したPWMコンバータ、電気学会論文誌D
・PWM converter integrating switched capacitor converter and series-resonant voltage multiplier as equalizers for photovoltaic modules and series-connected energy storage cells for exploration rovers, IEEE Transactions on Power Electronics.
・Single-Switch Single-Magnetic PWM Converter Integrating Voltage Equalizer for Partially-Shaded Photovoltaic Modules in Standalone Applications, IEEE Transactions on Power Electronics.

2016年12月24日土曜日

研究発表会での受賞と優秀学生賞

先日の12月17日に日立市で開催された電気学会茨城支所研究発表会で当研究室の院生5名と学部生3名が発表を行いました。地元での開催ということもあり、普段の外部発表よりもゆとりを持って臨めた研究会でした。その中で、M1の永田光君が見事に優秀発表賞を受賞しました。とてもめでたいことなのですが、一方では受賞できなかった他のM1学生達の嫉妬が尋常でなく、研究会後のモチベーション低下が火を見るより明らかでした。しばらくはモチベーション回復作戦に力を入れなければいけません、やれやれ…


また、4年生の佐藤裕介君が茨城大の優秀学生賞を受賞しました。4年生ながら並みのM1以上の戦闘力を持っており、研究発表会の練習でも見ていてとても安心できました。研究室の未来は明るそうです。

2016年12月10日土曜日

ワークショップでのポスター発表とグループディスカッション

先日の12/3に東京農工大で開催されたIEEE TOWERSという若手研究者向けのワークショップで当研究室の3名の学生(永田光、矢代和輝、杉山一希)が参加しました。
今回のワークショップの取り扱う分野は工学に留まらず文系も含まれていたということもあり、学生たちは己の研究内容を伝えるということの難しさを改めて感じたようでした。


ワークショップはポスター研究発表とグループディスカッションの二部構成であったのですが、学生達は見事にグループディスカッションの部でワークショップ特別賞を受賞しました。
ポスター研究発表では消化不良に終わったようですが、手ぶらでは帰ってこないという素晴らしい姿勢を見せてくれました。

2016年11月28日月曜日

研究会での口頭発表

11月28日に開催された電子情報通信学会電気通信エネルギー研究会にて篠原俊樹君と山本聖也君の2名が口頭発表を行いました。今回の発表は、口頭発表20分質疑応答7分と、学生にとっては未知の長編ということもあり、約50個にもわたる想定質問を事前に考えて個別回答も入念に準備して万全の状態で臨みました。発表会で受けた質問としては概ね想定通りの内容ではあったのですが、学生達は緊張のせいか質問の意図をうまく掴み取ることができず、残念ながら質疑応答が上手く噛み合わないまま質疑応答終了となってしまいました。改めて、スムーズなプレゼンと的を得た質疑応答というのは総合的に高い能力を兼ね備えていないとできないものなのだと痛感しました。今回の経験を活かして総合能力を磨きつつ、今後は2人とも査読論文の執筆に即座に取り組んでいく予定です。


発表後にはインド料理屋でカレーとナンを食べましたが、今回の発表会を的確かつ簡潔に表してように感じました。発表に難(ナン)有り、そして学生にとっては少し辛い思い出になりました。

2016年11月10日木曜日

「リチウムイオンキャパシタを用いた小型宇宙機電源システム」に関する書籍の発行

私が以前の職場で携わっていた研究成果の一部を書籍として発行することができました(書籍といっても一部の章だけですが)。
内容は、リチウムイオンキャパシタ(LIC)を用いた小型宇宙機電源システムの開発、です。
http://www.intechopen.com/books/supercapacitor-design-and-applications/development-and-on-orbit-demonstration-of-lithium-ion-capacitor-based-power-system-for-small-spacecr
LICとはキャパシタと呼ばれる蓄電素子、すなわち電気を蓄えるデバイスの一種であり、LICは電池に迫るほどのエネルギーを蓄えることができます。
しかし、バッテリと比べると数倍ほどの体積(大きさ)があるので、まだまだバッテリの代替品にはなり得ません。
しかし、LICはバッテリにはない長所をたくさん備えており、その長所を考慮すると色々な可能性が開けてきます。
例えば、寿命が長い(10年以上)、低温でもへこたれない、安全性が高い、等々です。
冬の寒い日に車やバイクのエンジンが掛かりにくい時がありますが、あれはバッテリが低温で特性が悪くなるからです。
また、最近はスマホが火を噴いたりと、バッテリの安全性について耳にする機会も多くなりました。
LICではこれらのような問題はほとんど起こりません。
このような長所を活かして、LICやその他の種類のキャパシタを用いた電源製品が既に発売されており、今後は色々なところで活躍の幅が広まっていくでしょう
http://www.jcc-foil.co.jp/cdg/products/index.html
書籍にはLICの宇宙機搭載に向けた試験結果や開発に関することが書かれています。
NESSIE(NExt‐generation Small Satellite Instrument for Electric power systems)と名付けられた小型実験プラットフォームにLICは搭載されてロケットにより打ち上げられ、宇宙環境下でのデータ取得も行われています。
ちなみに、開発者がネッシー好きだからという理由で「NESSIE」となるよう英単語を綿密かつ強引に選んで並びかえた、という噂があります。
NESSIE関連のゆるキャラもデザインされ、PPAPばりのヒットをもくろむも不発だったようです。
http://www.isas.jaxa.jp/j/column/sprint-a/03.shtml
話しが逸れてしまいましたが、この宇宙機電源システムもLICやその他キャパシタの利用拡大の役に立てたらと思います。