太陽電池用部分影補償器を統合した
「部分影補償器統合型コンバータ」の開発

鵜野将年
(茨城大学 工学部電気電子工学科 准教授)

2015年5月28日木曜日

はんだ講習会と公開実験準備

 先日、研究室ではんだ講習会を行いました。学生は己の設計した回路を遅かれ早かれ自作することになるのですが、その時に重要なのがはんだ付けのテクニックです。はんだ付けは電気系の技術者や研究者にとっては必須のスキルです。しかし、一般の方々が思っているよりもはんだ付けの技術は実は難しいものなのです。良いはんだ付けというのは、はんだの表面に光沢があり、使用するはんだの量も少ないものです。それに対して、悪いはんだ付けというは一般的に「いもはんだ」と呼ばれ、はんだの量が多くもっこりしていて表面もざらざらです。いもはんだで接続された回路は接続状態が悪く、長期使用の場合は高確率でトラブルを起こします。なので、早いうちにはんだのスキルを身に着けておくことで先々の研究をスムーズに効率的に進めることができるようになります。

 この写真は学生たちが顕微鏡カメラを使ってはんだ付けの練習をしている風景ですが、やはりいもはんだの連続です。季節外れのいもの大量収穫状態でした。比較的見栄えのいい‘じゃが’いもはんだ、長細い‘さつま’いもはんだ、更には三面記事でたまに見かけるお化けカボチャのようなメガ盛りいもはんだ等、秋の収穫祭を5月に感じることができました。ですが、はやり数をこなしていくうちに慣れてきており、数か月後に回路を自作する頃には満足のいくはんだ付けができそうな予感です。
 話は変わり、今週の日曜日に「こうがく祭」と言う、いわゆる工学部のオープンキャンパスのようなイベントが茨城大日立キャンパスであります。ここで、研究室見学に来た学生たちに太陽光発電システムにおいてコンバータ(電力変換器)がどれだけ大事な役割を担っているかを理解してもらえるような実演実験を予定しています。あいにく僕自身は国際会議の予定があり参加できないので、4年生の学生4人で対応してもらうことになりました。そのための準備や予行演習を慌ただしくやっていますが、学生たちにとっては準備や予行演習を通じて学ぶことがとても多く、この類のイベントはいい経験と刺激になっていると実感します。

5 件のコメント:

  1. 鵜野さん
    財団の中原です。小生は、なぜか小学校の子供の頃からはんだ付けをする事が結構ありました。でも、たぶんジャガイモでしょう。
    太陽光発電におけるコンバーターの重要性については、DCからACにコンバートするだけなのに、なぜあんなに高価なんだ?と思った事がありますが、ひょっとして、「なるほど、高価なわけだ。。。」と納得できるようなものなのでしょうかね?
    いつか機会があったら教えて下さい。

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    1. 中原さま
      確かに、新卒の初任給くらいの値段なのでとても高価に感じます。
      価格の理由については、長い耐用年数を満たすための部品の値段というのもあると思いますが、それ以上にユーザがあまり意識することのない機能が盛り込まれているというのが大きいと思います。
      天候によって変動する太陽電池の最適動作点を追従するための機能をはじめ、系統と連携するための制御、系統に事故が発生した場合の保護機能、等々です。
      公共の道路を自動車で走るためにはたくさんのルールを守らなければならないのと同じで、公共物である系統に接続して売電するためには様々な制御や保護機能によって系統の秩序を保つ必要がある、といったイメージになるかと思います。

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  2. 鵜野さん
    ありがとうございます。なんとなく、納得できそうな気がします。しかし、コンバーターの機能そのものは、新機能が加わった!というニュースはあまり聞かないし、モデルによる差などもあまり説明を聞かないですが、太陽光パネルを販売する時にリース価格的に上乗せされるという販売システムが成り立ちそうな気もします。
    でも、太陽光パネル全体の価格にくらべれば、大した価格ではないのかもしれませんね。

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  3. 小倉(ジャパンプライズ)2015年7月24日 10:43

    この前JAXAでの共同開発の話がありましたが、確か衛星やロケットを軽くするために、このハンダ付けの技術が求められるというのを聞いたことがあります。それが先生のおっしゃる「いもはんだ」なのでしょうね。

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    1. 小倉さま

      そうですね、余計ないもはんだで重くなってしまうという問題もありますね。しかし、一番効いてくる部分はやはり信頼性です。衛星は製造から5~10年以上の長期に渡り過酷な温度環境に晒される、打上げ時の振動・衝撃に耐えなければいけない、等から電子回路基板にも相応のストレスがかかります。ストレスで真っ先に壊れるのがいもはんだ部分です。小型ロケットプロジェクト等では大学生が手作りした電子回路等を搭載することも多々あるのですが、「はんだ不良」によって数えきれないくらいトラブルが起きています。はんだは相当に地味な技術ですが、華やかなものは地味な技術によって支えられている、という良い例かなと思います。

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