太陽電池用部分影補償器を統合した
「部分影補償器統合型コンバータ」の開発

鵜野将年
(茨城大学 工学部電気電子工学科 准教授)

2016年12月24日土曜日

研究発表会での受賞と優秀学生賞

先日の12月17日に日立市で開催された電気学会茨城支所研究発表会で当研究室の院生5名と学部生3名が発表を行いました。地元での開催ということもあり、普段の外部発表よりもゆとりを持って臨めた研究会でした。その中で、M1の永田光君が見事に優秀発表賞を受賞しました。とてもめでたいことなのですが、一方では受賞できなかった他のM1学生達の嫉妬が尋常でなく、研究会後のモチベーション低下が火を見るより明らかでした。しばらくはモチベーション回復作戦に力を入れなければいけません、やれやれ…


また、4年生の佐藤裕介君が茨城大の優秀学生賞を受賞しました。4年生ながら並みのM1以上の戦闘力を持っており、研究発表会の練習でも見ていてとても安心できました。研究室の未来は明るそうです。

2016年12月10日土曜日

ワークショップでのポスター発表とグループディスカッション

先日の12/3に東京農工大で開催されたIEEE TOWERSという若手研究者向けのワークショップで当研究室の3名の学生(永田光、矢代和輝、杉山一希)が参加しました。
今回のワークショップの取り扱う分野は工学に留まらず文系も含まれていたということもあり、学生たちは己の研究内容を伝えるということの難しさを改めて感じたようでした。


ワークショップはポスター研究発表とグループディスカッションの二部構成であったのですが、学生達は見事にグループディスカッションの部でワークショップ特別賞を受賞しました。
ポスター研究発表では消化不良に終わったようですが、手ぶらでは帰ってこないという素晴らしい姿勢を見せてくれました。

2016年11月28日月曜日

研究会での口頭発表

11月28日に開催された電子情報通信学会電気通信エネルギー研究会にて篠原俊樹君と山本聖也君の2名が口頭発表を行いました。今回の発表は、口頭発表20分質疑応答7分と、学生にとっては未知の長編ということもあり、約50個にもわたる想定質問を事前に考えて個別回答も入念に準備して万全の状態で臨みました。発表会で受けた質問としては概ね想定通りの内容ではあったのですが、学生達は緊張のせいか質問の意図をうまく掴み取ることができず、残念ながら質疑応答が上手く噛み合わないまま質疑応答終了となってしまいました。改めて、スムーズなプレゼンと的を得た質疑応答というのは総合的に高い能力を兼ね備えていないとできないものなのだと痛感しました。今回の経験を活かして総合能力を磨きつつ、今後は2人とも査読論文の執筆に即座に取り組んでいく予定です。


発表後にはインド料理屋でカレーとナンを食べましたが、今回の発表会を的確かつ簡潔に表してように感じました。発表に難(ナン)有り、そして学生にとっては少し辛い思い出になりました。

2016年11月10日木曜日

「リチウムイオンキャパシタを用いた小型宇宙機電源システム」に関する書籍の発行

私が以前の職場で携わっていた研究成果の一部を書籍として発行することができました(書籍といっても一部の章だけですが)。
内容は、リチウムイオンキャパシタ(LIC)を用いた小型宇宙機電源システムの開発、です。
http://www.intechopen.com/books/supercapacitor-design-and-applications/development-and-on-orbit-demonstration-of-lithium-ion-capacitor-based-power-system-for-small-spacecr
LICとはキャパシタと呼ばれる蓄電素子、すなわち電気を蓄えるデバイスの一種であり、LICは電池に迫るほどのエネルギーを蓄えることができます。
しかし、バッテリと比べると数倍ほどの体積(大きさ)があるので、まだまだバッテリの代替品にはなり得ません。
しかし、LICはバッテリにはない長所をたくさん備えており、その長所を考慮すると色々な可能性が開けてきます。
例えば、寿命が長い(10年以上)、低温でもへこたれない、安全性が高い、等々です。
冬の寒い日に車やバイクのエンジンが掛かりにくい時がありますが、あれはバッテリが低温で特性が悪くなるからです。
また、最近はスマホが火を噴いたりと、バッテリの安全性について耳にする機会も多くなりました。
LICではこれらのような問題はほとんど起こりません。
このような長所を活かして、LICやその他の種類のキャパシタを用いた電源製品が既に発売されており、今後は色々なところで活躍の幅が広まっていくでしょう
http://www.jcc-foil.co.jp/cdg/products/index.html
書籍にはLICの宇宙機搭載に向けた試験結果や開発に関することが書かれています。
NESSIE(NExt‐generation Small Satellite Instrument for Electric power systems)と名付けられた小型実験プラットフォームにLICは搭載されてロケットにより打ち上げられ、宇宙環境下でのデータ取得も行われています。
ちなみに、開発者がネッシー好きだからという理由で「NESSIE」となるよう英単語を綿密かつ強引に選んで並びかえた、という噂があります。
NESSIE関連のゆるキャラもデザインされ、PPAPばりのヒットをもくろむも不発だったようです。
http://www.isas.jaxa.jp/j/column/sprint-a/03.shtml
話しが逸れてしまいましたが、この宇宙機電源システムもLICやその他キャパシタの利用拡大の役に立てたらと思います。

2016年10月23日日曜日

研究室初の外国人留学生と、学生による初のレター採択

10月から研究室初の外国人留学生、許奇 君がメンバーに加わりました。
ある日本人学生が来日理由を尋ねたところ、「チャレンジ」だそうです。
事実、彼にとっては今回の留学が生まれて初めての海外旅行だそうで、挑戦よりも安定を志向する最近の日本人学生からはなかなか想像できない行動でとても感心します。
日本語堪能でチャレンジ精神旺盛な留学生の姿勢が、国際会議の参加を渋る日本人学生に良い刺激になることを祈る今日この頃です。

許奇君(右)と矢代和輝君(左)

また、先日に研究室M1学生の矢代和輝君の執筆した研究開発レターが採択されました。
レターではありますが、研究室としては学生による初の論文が採択されました。
年末から年度末にかけて論文を投稿するために、他の学生も続々と論文執筆の準備をせわしなく進めています。
今年は忙しく充実した年末になりそうです。

2016年9月3日土曜日

イベント盛りだくさんの8月末

 8月末は技術展示会、学生研究発表会、電気学会産業応用部門大会、と立て続けにイベントがありました。
 まず、8月25-26日と東京ビッグサイトで開催されたイノベーションジャパン2016で太陽電池用部分影補償器の技術展示を行いました。
2名のM1学生(篠原俊樹、山本聖也)が展示説明と実機によるデモをやってくれました。
説明やデモに関しては立派に行っていましたが、少し気になる点が…体があまりにも貧弱なのです。
展示会なので基本的には立ちっぱなしなのですが、学生は普段全く運動をしていないせいもあり、直ぐにしゃがみこんだり年長の人を差し置いてパイプ椅子に座りこんでしまっていました。
一日の間に「貧弱貧弱ゥ~」という言葉を何度かけたか分からないくらいでした。
社会人になった後にメタボへの道をまっしぐらになりそうで少し心配です…
 続く8月29日は4名の4年生が慶応大学で開催された学生研究発表会で学会デビューしました。
全員が引き継ぎでなく立ち上げたばかりの研究テーマに取り組んでいるということもあり準備不足な点もありましたが、普段から真面目に取り組んでいる4人なので、この調子でいけば冬くらいには立派な成果を発表できそうな予感がします。
 8月30日からは群馬大学で開催された電気学会産業応用部門大会に参加しました。
研究室からは5名のM1学生がポスター発表で参加しましたが、ポスター印刷を移動日当日に行うくらいのレベルで準備不足でした。
7月の国際会議からのリバウンド、期末テスト終了の解放感、盆休み、口頭ではなくポスター発表だという侮り、等々の色んな要素が絡み気が緩んで準備不足に陥ってしまった状態でした。
改めて学生の指導は難しいと痛感しました。
次戦は冬になりますが、何かをうまく変えないとこちらがやられていまいそうです、新たな策を講じて先手必勝あるのみです。
 

2016年7月9日土曜日

M1学生、はじめての国際会議

7月4日~6日にかけて沖縄の那覇で開催されたICEE(International Conference on Electrical Engineering)で4名のM1学生が研究発表を行いました。今回の発表に向けて学生は各自でスカイプ英会話を利用して半年以上に渡って毎日のように英会話スキルを磨いてきました。また、毎週のように発表練習を積み重ねてきたので質疑応答でもそれなりのやり取りができ、初めての国際会議としては十分な出来でした。





こちらとしては今後も精力的に国際会議に参加してほしいとは思っているのですが、今回の国際会議で英語論文の執筆とプレゼンの大変さを知ってしまったせいか、あいにく4人とも後ろ向きの姿勢になってしまっています。こちらも負けじと、国際会議開催場所の観光資源や料理などの魅力を全面的にアピールして学生を国際会議へと誘惑していく作戦です。

2016年5月22日日曜日

こくがく祭(オープンキャンパス)

5月22日(日)に茨城大学日立キャンパスでこくがく祭(オープンキャンパス)が開催されました。当研究室では、定番の研究説明に加えて、研究室で力を入れて開発している「太陽電池用部分影補償器」の実演も行いました。実演内容は、去年12月に姫路飾西高校で行った「やさしい科学セミナー」と類似のもので、オープンキャンパス用の短縮バージョンです。実演については4名の4年生の学生が主体的にやってくれましたが、M1学生の丁寧なアドバイスのおかげもあり、とてもスムーズにこなすことができました。見学者が来る度に丁寧に説明し、回数を重ねるごとに饒舌になり、最後の方には一人漫談もできそうな勢いの学生もいました。やはり先輩の力は偉大です。遠くの教員より近くのM1といったところでしょうか。確かな成長の見られたオープンキャンパスでした。



2016年4月23日土曜日

研究室はんだ講習会

今月4月から新4年生が研究室に配属され、今週、新4年生向けのはんだ講習会を研究室内で行いました。回路を自作する際、はんだを使って電子部品をプリント基板に接続していきますが、はんだ技術がしっかりしていないと回路がまともに動作しないことも多々あります。事実、現在の修士1年の学生たちは未熟なはんだのせいで回路が不具合を起こし、半泣きになりながら卒論研究に取り組んでいました。そんな苦い経験もあったからなのか、今年は経験豊富な修士1年の学生達が新4年生を積極的に指導している姿が印象的でした。1年前のはんだ講習会では「いもはんだ」と呼ばれる不格好なはんだ付けを量産し、季節外れのいもの大収穫祭状態になっていたのですが、今年のいもは不作でした(つまり、上手にはんだができていたということです)。やはり、先輩による個人指導の効果は大きいです。

2016年3月24日木曜日

学生の受賞と研究成果

 当研究室所属の3名のB4学生(永田 光君、杉山一希君、矢代和輝君)が多賀工業会賞、電気学会東京支部電気学術奨励賞、茨城大学工学系表彰をそれぞれ受賞しました。パワーエレクトロニクスという分野に優秀な工学系の学生が集まっているということを改めて証明してくれていると思います。やはり、パワエレの未来は明るいようです。
永田 光君
 
杉山一希君
 
矢代和輝君

  さて、本年度の助成研究の成果ですが、前回に紹介した小型探査ローバ用のコンバータ開発のみならず、学術的に新しい技術の実証も無事達成することができそうです。当研究室の学生(篠原俊樹君)が自ら導き出した理論式に基づき、理論と実験の両方の観点から新技術の優位性を見事に示してくれました。彼自身にとって研究に対する初めての大勝利で、まさに一皮剥けた瞬間だったような気がします。この助成研究の成果は今年7月に沖縄で開催される国際会議(ICEE 2016 Okinawa)で発表する予定です。その発表に向けて現在、篠原君は英語論文を大執筆中です。
篠原俊樹君

2016年3月17日木曜日

小型探査ローバ用の部分影補償器統合型コンバータを開発中

 国際科学技術財団に助成していただいている研究の成果をもとに、小型探査ローバ搭載用のコンバータ(電力変換回路)を研究室で開発してます。この小型ローバは20xx年に別の主衛星との相乗りでの打上げを目指してJAXAが開発を行っているものなのですが、そこに茨城大の当研究室とJAXAで共同開発するコンバータの搭載を企んでいます。
 ローバのエネルギー源である太陽電池パネルの発生電力を所望の形態に変換する装置がコンバータです。太陽電池やその他の電源(蓄電池やコンセントなど)のあるところには必ずと言っていいほどコンバータ(用途によって呼び名が変わりますが)が使われています。しかし、探査ローバではコンバータ以外にも電力変換に関連する回路が必要となります。それが部分影補償器と呼ばれる回路です。
 太陽電池はご存じの通り太陽光エネルギーを電気エネルギーへと変換するものですが、そのエネルギー量は日射強度や影の状況に大きく影響を受けます。太陽電池パネルの一部に影がかかった場合、影に相当する面積比以上に太陽電池から取り出せる電力が低下してしまう現象が知られています。例えば、太陽電池パネルに10%相当面積の影が掛かった場合、取り出せる電力は30%程低下してしまうといった具合です。このような悪影響を防止する装置として部分影補償器というものがあります。これもコンバータの一種、即ち電力変換回路です。つまり、ローバでは元々のコンバータに加えて部分影補償器も必要となるため、合計2つのコンバータが必要となってしまい、ローバの大型化や高コスト化につながってしまいます。

 このような問題を解消できるのが当研究室で開発している「統合型コンバータ」です。名前の通り、コンバータと部分影補償器を統合したもので、回路を一体化できるのみならず部品点数の大幅削減も可能な優れものです。現在、試作機の簡易的な実験を終えた段階で、これからは詳細な試験をJAXAと共同で進めていく予定です。実用までの道程は長いですが、大学生が宇宙探査機開発の一端を担えるということをウリに、学生主動で開発を進めています。

2016年3月6日日曜日

宇宙エネルギーシンポジウムでの研究発表

3月3日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスで開催された第35回宇宙エネルギーシンポジウムにて2名の学生(杉山一希、山本聖也)が研究発表を行いました。卒業論文を執筆している最中ということもあり、発表に向けた準備が不十分で特に質疑応答ではうまく受け答えができず、多くの反省点が見つかったほろ苦い発表会となりました。これまでの学内での発表会とは異なり、外部発表では異なる視点から客観的で率直な質問がぶつけられます。特に研究対象技術の応用に関する質問に対しては、普段から広い視野を持てていない「木を見て森を見ず」状態に陥ってしまっているということもあり満足な回答ができませんでした。学生にとっては、幅広い視点から己の研究に対して客観視する必要があるということを学ぶよい経験になったと思います。


2016年1月28日木曜日

研究室の3名の学生が成績優秀賞を受賞

当研究室所属の3名のB4学生(永田 光君、杉山一希君、山本聖也君)が茨城大学成績優秀賞を受賞しました。今回の受賞と私の指導力には一切の関係はなく、完全に学生個人による努力の賜物なのですが、優秀な学生がパワーエレクトロニクスという分野に引き付けられていることの表れだと思います。大学の研究室選びで悩んでいる学生の皆さん、安心してください、パワーエレクトロニクスの未来は明るいですよ。
受賞の3名
 
永田 光君
 
杉山一希君
 
山本聖也君