太陽電池用部分影補償器を統合した
「部分影補償器統合型コンバータ」の開発

鵜野将年
(茨城大学 工学部電気電子工学科 准教授)

2016年11月10日木曜日

「リチウムイオンキャパシタを用いた小型宇宙機電源システム」に関する書籍の発行

私が以前の職場で携わっていた研究成果の一部を書籍として発行することができました(書籍といっても一部の章だけですが)。
内容は、リチウムイオンキャパシタ(LIC)を用いた小型宇宙機電源システムの開発、です。
http://www.intechopen.com/books/supercapacitor-design-and-applications/development-and-on-orbit-demonstration-of-lithium-ion-capacitor-based-power-system-for-small-spacecr
LICとはキャパシタと呼ばれる蓄電素子、すなわち電気を蓄えるデバイスの一種であり、LICは電池に迫るほどのエネルギーを蓄えることができます。
しかし、バッテリと比べると数倍ほどの体積(大きさ)があるので、まだまだバッテリの代替品にはなり得ません。
しかし、LICはバッテリにはない長所をたくさん備えており、その長所を考慮すると色々な可能性が開けてきます。
例えば、寿命が長い(10年以上)、低温でもへこたれない、安全性が高い、等々です。
冬の寒い日に車やバイクのエンジンが掛かりにくい時がありますが、あれはバッテリが低温で特性が悪くなるからです。
また、最近はスマホが火を噴いたりと、バッテリの安全性について耳にする機会も多くなりました。
LICではこれらのような問題はほとんど起こりません。
このような長所を活かして、LICやその他の種類のキャパシタを用いた電源製品が既に発売されており、今後は色々なところで活躍の幅が広まっていくでしょう
http://www.jcc-foil.co.jp/cdg/products/index.html
書籍にはLICの宇宙機搭載に向けた試験結果や開発に関することが書かれています。
NESSIE(NExt‐generation Small Satellite Instrument for Electric power systems)と名付けられた小型実験プラットフォームにLICは搭載されてロケットにより打ち上げられ、宇宙環境下でのデータ取得も行われています。
ちなみに、開発者がネッシー好きだからという理由で「NESSIE」となるよう英単語を綿密かつ強引に選んで並びかえた、という噂があります。
NESSIE関連のゆるキャラもデザインされ、PPAPばりのヒットをもくろむも不発だったようです。
http://www.isas.jaxa.jp/j/column/sprint-a/03.shtml
話しが逸れてしまいましたが、この宇宙機電源システムもLICやその他キャパシタの利用拡大の役に立てたらと思います。

3 件のコメント:

  1. リチウムイオンキャパシタはスーパーキャパシタを凌駕すると期待されて研究が進んでいる分野で、高速充放電が可能という認識でした。宇宙用途に使えるとは知りませんでした。勉強になりました。

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  2. コスト的には、行けそうですか?

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  3. 中原様、伊藤様
    数年の要求寿命を満足するために通常のバッテリは40%以下の浅い放電深度で劣化を抑えつつ用いられますが、リチウムイオンキャパシタ等は深い放電深度でも長寿命なので、結果的に実質的なエネルギー密度の差を縮めることができます。
    今回の開発では汎用品を用いたのでモノとしてのコストは微々たるものですが(学生のポケットマネーでも購入可能)、一般的には搭載に向けた試験費用の方がはるかにコストがかかります。
    なので、試験費用を抑えることができるようにモノ単体ではなくシステム全体を考えることが重要になってきます。

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